カセットデッキ TC-K88 修理とメンテナンス⑪ ― 2019/03/17 04:32:34
原因究明②
① 走行系ボタンが全く反応しない時がある。これについてはずいぶん悩んだ。
TC-K88は再生時「ヘッドを下ろす、テイクアップモーターを回す」と二つの
別回路があるのだが、ボタンが反応しないというのは二つの回路が同時に
壊れたことになる。
これはあまり現実的ではない。
調子が良い時は普通に動く、よって二つの回路がシンクロして好調不調を
繰り返すのはおかしい。
そうなるとIC601のマイクロプロセッサー自体の故障も疑うわけだが、
➂の現象とつじつまが合わない。
図面を見ながら熟考して一つの結論を出してみた。
ここから先も私見と推測なのでそのつもりで解釈してほしい。
K88は電源を入れるとキャプスタンが回りクリスタルロックがかかる。
その、「回転している」という信号をIC601が受け取らないと
反応しないのではないか?
キャプスタンが回っていない状態でヘッドが下り、テイクアップモーターが回るとテープを痛めてしまう。これを防止する機能ではないだろうか?
これをやっているのがサーボ基板の回転検出IC504(TC4024)である。
半田修正を行う前段階のIC交換で直ったと思われることからTC4024 が
不安定だったのではないか?
回転信号が出たり出なかったりか、出ていてもレベル異常でIC601が認識しなかった。
これが原因と考える。
交換後はこの不具合は一切出ていない。

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