昭和のカセットデッキ TC-K88 視聴サービス&修理とメンテナンス2019/02/25 02:36:39

視聴用 SONY カセットデッキ TC-K88 エスプリ

視聴 昭和のカセットデッキ ソニー TC-K88 エスプリ

兼てから昭和のカセットデッキ視聴サービスを始めたいなとぼんやり
思っていた。
展示するにあたりテーブルのレイアウトや照明など暗い店内の
雰囲気は変えたくないなと答えが出ないまま月日が流れた。

いいアイデアが浮かばないので後回しにして機器の修理&メンテナンスを
先にすることに。

当時のSONYの最高級カセットデッキエスプリシリーズTC-K88
動作が不安定で動いたり動かなかったり。

オーディオ業界はバブル直前、昭和最後の高度成長期の日本経済を
けん引してきた産業の一つではないだろうか。
他には自動車やバイク、カメラなど工業製品が良く売れた時代だ。
カメラはデジタル化されて生き残っているが他は衰退してしまった。
当時はメーカー各社が競争して良い製品が作られた、
ブーム初期の製品だと40年経つ事になる、TC-K88もその当時の製品である。

身の回りの工業製品を思い浮かべて欲しい。
40年も前の物が何か見つかるだろうか?

オーディオ製品の中でも特にカセットデッキは日本製品が世界市場を
席巻していたはずである。
物作りジャパン、Made in Japanが輝いていた時代、
そんなメーカーの拘りや設計者の思いをその時代を知らない世代に
視聴を通して伝えていけたら良いなと思う。

カセットデッキ TC-K88 修理とメンテナンス➁2019/02/27 03:27:46

TC-K88 コネクタ化したサーボ基板とコントロール基板Aの接続部

TC-K88基板コネクタ化

TC-K88の操作系はカセットホルダーベースの裏側に二階建て状態で
設置されている。
図面上では上がサーボ基板下がコントロール基板A。
一階と二階は16本の半田付けケーブルで繋がっているのだが、
何回か開閉を繰り返していると一階半田部から切れてしまう。

これが非常に厄介でストレスを感じる。

その為作業効率を上げるべく一階二階を分割できるように
PCのUSBヘッダピンを使いコネクタ化した。

基板を単体で扱えるようになりかなり楽になった。
もう一台のK88一号機も同じくコネクタ化したことにより、
基盤を入れ替えることで不具合の検証がやり易くなった。

TC-K88は88シリーズのデザインを踏襲するため薄型になっているが
この薄さに設計者の苦労が伺える。
基板の隅々まで部品がぎっしりと付けられている。

K88が88シリーズとして最後のリリースとなったのは限られた
スペースの中でのレイアウト設計が難航したのだろうと推測する。