新宿西口思い出横丁2016/12/20 04:07:20

先日あることを調べていたら辿り着いた。
思い出横丁のとある店舗の生い立ちと横丁の歴史について書かれている。

社会人になった頃飲みに行くと年齢差35歳以上だろうか?
見知らぬおじさんたちと仲良くなることが多々あった。

暫く話していると大方そのおじさんの若いころの回帰話になることが多かった。

そういう機会が増えてくるにつれだんだん刷り込まれて、
当時はどんなんだったんだろうと興味を持つようになった。

それを満たしてくれる一部が「西新宿物語」ここにあった。
当時のやくざとの付き合い方やなぜモツなのかなど、なかなか面白い。

あの細い路地は何回か通ったことがあったが歴史を感じる店はどこも似たような商売だった。
初めて店に入ったのは20年弱くらい前だろうか、三角頭巾をした白衣姿の
苦労をしてきたようなおばあちゃんが一人でやってる定食屋だった。
作り置きの総菜を数品選ぶスタイルである。

「西新宿物語」によるとここの地面(横丁の通路)はここが発祥した昭和22年当時のそのままの姿であるらしいことがうかがえる。
神社やお寺等の境内や私有地を除き戦後当時の土(地面)が残っているところが都内にあるだろうか?
ゴールデン街も歴史は古いがこちらはモルタル舗装された形跡がある。
想いをはせながら近いうちにゆっくり歩いてみたいと思った。

角川映画が面白い ①2016/12/28 02:40:20

「蘇る金狼」

企業が自社の製品を売る為に、テレビCMを流す。
それらは長短の差はあるものの概ね一分程度である。

しかし角川文庫のCMはなんと大よそ2時間である。
それが角川映画なのである。
文庫を売る為に文庫原作の映画を製作するという気合の入れようで、
さらにその映画の為にCMを流すという手法は当時話題になった。
そもそも映画のCMはかなり高額なため一般的ではなかった。
CMではキャッチコピーを練り込んで脳裏に焼き付かせた。
この映画の場合
「気をつけろよ、刺すような毒気がなけりゃ、男稼業もおしまいさ」
蘇る金狼は大藪春彦氏のハードボイルド作品である。
一平社員が一匹狼で社会に挑戦しいかに成り上がるかを描いた作品。

孤高な主人公(松田優作)が表と裏の顔を使い分け
出世をする生き様が生々しく伝わってくる。
昭和のこの時代は皆必死に生きてたんだなと、当時の時代背景が見えてくる。
封切り直後に高校の帰りに丸の内ピカデリーに観に行った。
疾走するカウンタックのシーンは爽快だった。

そしてこのテーマ曲が素晴しくカッコイイ。
とても女性が作詞したとは思えない過激な詞である。
故人となった前野曜子が力唱した名曲である。
張り詰めた緊張感のない現代では生まれない詩だと思う。

蘇る金狼予告編
蘇る金狼のテーマ曲

ストーリーはさておき、いくつかの角川映画に共通するのだが
関係者が登場する工夫が面白い。
蘇る金狼の場合は、監督の村川透氏、角川春樹氏が出演している。

角川映画が面白い ②2016/12/29 04:43:30

「人間の証明」

こちらは森村誠一氏の同名の推理小説の角川映画である。
まず一言に言って豪華な作品である。
今の若い世代には伝わらないと思うがキャスティングが素晴らしい。
その人一人が主役で映画が一本作れるというレベルのベテラン俳優陣が
惜しげもなく脇役で出演している。
今風に言えば、メジャーリーグのオールスターチームといったところだろうか。
近年の俳優の代わりにモデルやアイドルを多用して視聴率狙いの作品とは大違いだ。

事件解明には直接関係ないが細かな工夫がされている。
当時テレビで小川宏ショーという番組が放映されており、ヒロインがテレビのワイドショーにゲスト出演するシーンがその小川宏ショーで、小川宏氏本人と当時のアナウンサー露木茂氏がそのまま映画に登場しているのは手が込んでいて面白い。

もう一つは最後の谷底へ帽子を投げる直前、サンライズが映し出されるが、
富士山ではないがダイヤモンド富士状態になっている。
年間数日しかないはずと思うがわざわざこの日を狙ったのだろうか?

更に、作家になる前の実際の職業であったホテルマンとしてフロント役で
原作者本人が出演しているのだ。

一流有名デザイナーの知られたくない過去がカギとなりニューヨークでの
撮影シーンもあり殺人で始まり殺人で終わるこの人間の証明は、
全ての角川映画を観た訳でないが最高傑作ではないかと思っている。
サスペンスとして中々観ごたえのある作品だと思う。

人間の証明予告編
人間の証明テーマ曲

CMは予告編ラスト30秒
キャッチコピーは
「読んでから観るか、観てから読むか」

関係者の出演は角川春樹氏と森村誠一氏、ジョー山中氏。