初来店2007/05/04 03:40:10

「こんばんは」と店の前を掃除しているといきなり挨拶された。
道でも聞かれるのかとほうきを持った手を止め身体を起すと
見知らぬ若い女性がニコニコして立っていた。
「はい」と答えたかどうかは定かではないが、ちょっとびっくりしてしまった。
彼女は店に来たお客さんだった。 中に案内してすぐさまスタンバイする私、彼女は初来店にもかかわらずリラックスしているのか相変わらずニコニコしている。
20代前半のお客さんはあまり来店されないので私の方がむしろ緊張しているようだ。
頼まれたビールを出すと彼女は屈託無く話を始める、なっなんとこれからバイトにいくというのである、(バイトの前に酒飲みかいっ)どんなバイトなんだろうと想像してる間もなく次から次へとニコニコしながら会話を進める。
今は学生で来年卒業だという、就職する方向性は定まってはいないが「旅館の女将」になりたいという。
野球帽のような帽子をかぶりジーンズに迷彩色のジャケットを纏ったボーイッシュな外見からは想像できなかった。
「今風の若い子」という印象ではなかった。
ビールが空き次は焼酎を飲みたいという、「大丈夫かなと」思いながら「克」を出す。「バイトは何時からなの?」「9時からです」既に8時を回っていたが歩いて数分だという。
酒が入ったせいか彼女の饒舌ぶりは衰えない。
「女将になるにはどうしたらよいか?」というテーマで盛り上がった。
彼女の名はめぐみ(仮名)細身の身体からは想像しがたいパワーを溢れ出していた、8時半を過ぎたころそろそろ出かけるという。
表情も会話もしっかりしているので大丈夫だろうと勝手に安心して見送った。
2006年3月の事である。

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