既に半年・・・・2007/05/02 02:27:03

春になった。
買い物帰りの夕方その店の近くを通ったので駄目元で
立ち寄った。
ドアを開けるとおじさんはミシンを掛けていた。
私の顔を見るなり「まだやってない。もうちょっと待って」
とお決まりのせりふ 「冬物の仕事が忙しくて」、季節の変わり目は
修理の仕事が増えるらしい。
しかし「冬になる前にお願いしたんだけどまだですか?」と切り返す。
「だから、もうちょっと待って」
買い物の荷物を持っていて面倒だったので「又きます」と店を出た。
ほんの数分のやり取りだったのだが辺りは私の気持ちを写したかのように 真っ暗だった。

初来店2007/05/04 03:40:10

「こんばんは」と店の前を掃除しているといきなり挨拶された。
道でも聞かれるのかとほうきを持った手を止め身体を起すと
見知らぬ若い女性がニコニコして立っていた。
「はい」と答えたかどうかは定かではないが、ちょっとびっくりしてしまった。
彼女は店に来たお客さんだった。 中に案内してすぐさまスタンバイする私、彼女は初来店にもかかわらずリラックスしているのか相変わらずニコニコしている。
20代前半のお客さんはあまり来店されないので私の方がむしろ緊張しているようだ。
頼まれたビールを出すと彼女は屈託無く話を始める、なっなんとこれからバイトにいくというのである、(バイトの前に酒飲みかいっ)どんなバイトなんだろうと想像してる間もなく次から次へとニコニコしながら会話を進める。
今は学生で来年卒業だという、就職する方向性は定まってはいないが「旅館の女将」になりたいという。
野球帽のような帽子をかぶりジーンズに迷彩色のジャケットを纏ったボーイッシュな外見からは想像できなかった。
「今風の若い子」という印象ではなかった。
ビールが空き次は焼酎を飲みたいという、「大丈夫かなと」思いながら「克」を出す。「バイトは何時からなの?」「9時からです」既に8時を回っていたが歩いて数分だという。
酒が入ったせいか彼女の饒舌ぶりは衰えない。
「女将になるにはどうしたらよいか?」というテーマで盛り上がった。
彼女の名はめぐみ(仮名)細身の身体からは想像しがたいパワーを溢れ出していた、8時半を過ぎたころそろそろ出かけるという。
表情も会話もしっかりしているので大丈夫だろうと勝手に安心して見送った。
2006年3月の事である。

酒税法違反?2007/05/11 01:27:11

自家製梅酒
先日、北海道のペンション経営者が自家製の果実酒をお客に提供していたことに税務署から「酒税法違反なので廃棄処分通告」を受けたというニュースを見ました。
既に存在する酒類に果実等を漬けたとしても酒の醸造に当るという判断のようです。
しかし自家消費のみ許されるそうです。
ですから他人に提供する事が違反らしいのです。
このニュースを見て驚きました。
今まで当然のように行われていた自家製果実酒の飲食店での販売があったにも拘らず「なんで今更」という気持ちです。
私自身酒税法を調べた上で漬けた訳ではありませんが、既に存在する酒を使っている事と醗酵させていないという2点から酒税法の「酒を造る」ということには触れないというふうに考えていました。
今回のケースが違反となると既にある酒を使ってそれに何かを足したり加えたりした場合「酒を造った」ことになるわけですから、例えば居酒屋さんなど出しているサワーやウーロンハイ、ホッピーそれにカクテル類やフルーツポンチ等はどうなるのか疑問です。
当店の場合も今回のケースに当てはまる要素があります。
非常に気になるニュースなので暫く様子を見て適切に対処していこうと思います。
最悪の場合自家製梅酒はメニューから消えるかも?

南の島の貴婦人2007/05/17 00:36:19

南の島の貴婦人

朝日酒造 南の島の貴婦人 44度

今日は黒糖焼酎のハナタレ「南の島の貴婦人」を紹介します。
黒糖焼酎は鹿児島県の奄美諸島の島々で黒糖を原料に 造られている焼酎です。
知らない方もいるかもしれませんが黒糖焼酎といえども焼酎なので
一次仕込みに米麹を使っている為黒糖100パーセント
という事ではありません。
本来は黒糖だけでもお酒はできるらしいのですが酒税法で
「焼酎」に分類する為にあえて米麹を使用し芋焼酎などと
同じ製法にすることにより実現されたようです。

さて「南の島の貴婦人」ですが、「朝日」という喜界島の
黒糖焼酎は飲まれた方は多いと思います、この朝日の初留取りが
今回の南の島の貴婦人なんです。
私の知る限りでは黒糖焼酎のハナタレはこの「南の島の貴婦人」だけではないでしょうか。

蒸留は1分に満たない数十秒程度とかなり短めで
軽めの機械濾過の後、貯蔵せずに瓶詰め出荷するそうです。
以前紹介した万暦60と比較的同じタイプの流れですね。

蔵元さんは瓶にも拘っていて実はこの瓶、砂糖きびをイメージして作られているんです。
気付かれた方は少ないのではないでしょうか。
画像では分かりにくいですが下のほうには節のような出っ張りがあり
上の方には門松のように斜めに切ったような角度がついています。
この変わった形の瓶を当店ではお持ち帰りになられた方も居ります。
そして名前ですが画像の右の白い外筒に描かれている蝶、大胡麻斑蝶が
生息できる北限がこの喜界島であり、その別名が南の島の貴婦人である事に由来しているらしいです。

蓋を開けたとたん黒糖の甘い香が漂い非常に上品な味わいだと思います。
こちらも冷凍庫で冷やしていますのでトロトロ感もあり食後酒として最適ではないでしょうか?
一度試される価値はあると思います。

赤兎馬2007/05/22 03:47:38

赤兎馬

濱田酒造 芋焼酎 赤兎馬

過去に何人かのお客様から「赤兎馬ありますか?」
と聞かれた事があり 仕入れる事になったこの芋焼酎は、「大魔王」や「海童」で有名な濱田酒造で造られています。
しかしこの「赤兎馬」はある酒屋さんが「赤兎馬会」なるグループを結成されて濱田酒造に依頼をして造ってもらっている芋焼酎、
いわばこの赤兎馬は赤兎馬会のPB商品という事になっています。
九州で鹿児島と沖縄を除く県でおおよそ30店舗くらいでしか取り扱いが無いと言う焼酎です。

蓋をあけると香は控え目ですが一般的な芋焼酎の香とは
かなり違う香です。
私的にはりんごのようなコクのある香というのでしょうか? 香からは芋焼酎は想像しにくいです。

飲んでみると、スッキリしていておとなしく飲みやすいのですが
やはり芋焼酎っぽくないと感じるのは私だけでしょうか?
赤兎馬の名のイメージとは正反対の印象で
新しいタイプというか変わったタイプの芋焼酎という位置付けになるかと思います。
他に似ている味の物といえば「別撰 蓬の露」が近いと思います。

かなり強めの濾過をしているということなので本来の芋焼酎と
感じる部分は その強めの濾過により削られてしまい残った成分の味が
この赤兎馬の特徴だと思います。

Grayではお勧めの芋焼酎として提供していますが、最初から
赤兎馬目当てで来店されるお客様もいらっしゃるようです。