社会人デビュー2009/07/05 03:09:00

店前を掃除していたら声をかけられた。
振り向くとめぐみ(仮称)である。
どこかに出かける様子である。
たずねると、いつもの友達と待ち合わせだと言う。

急いでいるのかすぐに、パタパタと足音を響かせ立ち去ってしまった。

数時間後、同じ足音が聞こえたと思ったら又めぐみである。
目黒で軽く飲んできたのだと言う。
わざわざ目黒まで行ったのに早い解散である。
まるで「カラスの行水」みたいな飲み会だ。

まずはビールから入った。
研修で長野だか山梨に行った話しから始まった。
今日の話題はその研修の「しごき」である。
彼女は大学を卒業して新社会人になったばかりである。
そしてその会社の研修が10日間位泊り込みであり
「きつかった」ということなのらしい。

数人でチームを組んでかなり大きな穴を掘ったのだという。
とにかく交代でこつこつとスコップで土を掻き出す単純作業である。
女性にはかなり堪える肉体労働だ。

今夜のために「しごき話」を取って置いたかのようによくしゃべる。
めぐめぐ全開モードである。
芋焼酎倉岳に移り次のしごきを話し始めた。

なにやら重石を持って湖の周りを10キロ走るのだそうだ。
途中でリタイアする人も出たらしいのだが負けず嫌いの彼女は
クリアしたという。
まるで自衛隊?のような訓練である。

この華奢な体で本当にクリアしたのだろうかと私は思ったが
嘘ではないだろう、このいきいきした喋りが物語っている、
社会人になって最初の難関を突破した充実感が全身から溢れている。
今日はこの充実感を披露したかったのだと私は気が付いた。

次はお気に入りの克である。
少し疲れたのか、全部吐き出してすっきりしたのか、克を味わうように 飲んでいる。

この「しごき」がどのように彼女の仕事に影響するのかいささか不思議に思った、
一体どんな業種の会社なんだろう?