パイオニア PL-50Lを修理する ― 2023/09/30 02:30:19
PL-50Lが突然故障です。
演奏中に途中でアームが上がってしまうという症状です。
坂本龍一氏が亡くなられてYMOのレコードをかけていた時に起きた。
最後まで再生しないで途中でトーンアームがリフトアップします。
これを修理します。
調べるとPL-50Lには良く起きる故障らしい。
このシリーズPL-30L PL-50LⅡ PL-70L PL-70Ⅱなども共通の故障
であることが分かった。
まずは分解です。
ターンテーブルとその下のカバーを外すと基板が現れます。
底板を外して基板が逆さまに部品がぶら下がるようについてる
レコードプレーヤーが多い中この作りはメンテナンスがしやすく有難いです。
特にこのPL-50Lシリーズはオイルダンプ用のオイルを抜かないと
逆さまにできません。
これはかなり面倒です。

7個のタンタルコンデンサーの導通を計るとC37が0.5kΩ程度しかありません。
ショート寸前です。
タンタルコンデンサーの故障モードは「ショート」なので回路によっては
他のパーツを巻き添えにします。
完全に故障する前に交換するのが理想です。

このタンタルコンデンサー(赤丸)は25V6.8μFです。
これを手持ちの積層セラミックコンデンサーに50V 10μFに交換します。
セラミックコンデンサーは温度によって容量が変わるので、
温度変化に強いタイプを使用します。

コンデンサの容量でアームリフトアップのタイミングを定数として
決めているらしい。
タンタルコンデンサー不良(容量抜け)が原因と思われるのでVRはいじりません。
組み立てて試運転してみます。
手元のレコード盤をかけてみましたが、最後まで再生してトーンアームが
リフトアップします。
3.2μF容量が増えた分タイミングが若干本来より遅くなったような気が、
しますが気のせいかもしれません。
調整が必要なレベルでは全くありません。
このまましばらく様子を見ることにします。
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