ヤマハ PX-2 リニアトラッキング レコードプレーヤーの修理 ➃ ― 2023/08/09 00:30:40
昨年リニアスケーティング駆動用モーターベルトを交換してから一年が経った。
特に不具合は無いのですが、リニアトラッキング制御回路のコンデンサを
交換することに。
今回は修理ではなくメンテナンスです。
一般的なレコードプレーヤーはトラッキングにおいてトーンアームを
電子的に制御していませんのでこの必要はありません。
しかしリニアスケーティング動作は電子回路により制御されて
アームベースごと水平移に動きます。
制御が乱れるとアームのトラッキングに影響が出てレコード盤を傷つける
可能性があります。
これを予防するためです。
電子回路がある以上メンテナンスフリーとは行きません。
既に寿命を向かえている電解コンデンサーは交換が必要です。
開腹すると意外に電解コンデンサは少ないです。20個程度です。
ターンテーブル基盤と合わせても30個いかないくらいです。
過去にバラした、テクニクスやビクターはターンテーブル基盤だけで
楽に20個は超えていました。
珍しく松下製の電解コンデンサが多用されていました。
特に難しい点はありませんが、一点だけ注意が必要な個所があります。
基板から横に寝かせるようにトランジスタとICが3個、板バネで押さえる
ようにして放熱の為本体フレームにくっついています。
基板を外すにはこの板バネを外す必要があります。
左端の一つはトランジスタで薄い絶縁板が挟んであります。
劣化して割れていました。
これを灰色の絶縁熱伝導シートに交換しました。
ここを絶縁することが重要です。
交換前後で特に変化は感じません。
しかし安心度は増しました。
丸いレコード盤に対して「角」を取り入れた直線的なデザイン。
当時としては近未来的なデザインを狙ったのでしょう?
現存する数少ないリニアトラッキングレコードープレーヤーです。
何とか長持ちさせていきたいです。
ヤマハ PX-2 リニアトラッキング レコードプレーヤーの修理 ③ ― 2022/08/31 02:35:20
PX-2を修理していて気になったことがありましたので、考察してみます。
今回は修理ではありません。
カートリッジ+シェルがPX-2指定適正重を超えた物を使用した場合メインウエイトがリア側に行くのでその調整ナットがダストカバーに当たりアームがスムースにリニアトラッキング出来なくなる事が当PX-2で確認できました。
適正内でやれば問題は無いのですが(当然です)サブウエイトをつけることで
選択肢を増やしたのではないでしょうか?(高級機ですから)
付属のヘッドシェルは8gと軽いタイプです。
他社製では15gとかあります。
PX-2の適用カートリッジ重量範囲は5~11gになっています。
シェル+カートリッジでMAX19gです。
重めのヘッドシェルを使うと簡単に使用可能適正重を超えます。
これが改善理由ではないでしょうか?
「PX-2は2タイプ」存在する?
初期と後期という位置づけにになると思いますが、
仕様変更されたタイプがあるということです。
※※ 国内版取扱説明書と英語版マニュアルによる比較 ※※
付属品の違い
初期 後期
サブウエイト無し サブウエイト2個(画像中央辺り)
左が初期タイプ
後期はサブウエイトをねじ込む孔がメインウエイト両側面に開いています。
ヤフオクではこのタイプをよく見かけます。
初期タイプは孔がなくこの面がフラットになっています。
カートリッジ側が重たい時、サブウエイトがないのでメインウエイトは
かなり後ろに下がります。
ヤマハ PX-2 リニアトラッキング レコードプレーヤーの修理 ② ― 2022/08/30 01:03:42
PX-2のバネについてヤマハに問い合わせたところ、当然ながら修理部品は無いという回答。PX-2は1979年頃発売ですから当然ですね、ダメ元でした。
東急ハンズでばねを調達して交換してみました。
画像下はPX-2から外したオリジナルのバネ。
平ベルトはゴムではなく繊維質っぽいベルトですが伸びています。
最初は左の長いバネで試してみたところ、スリップは改善せずベルトはまだ緩いまま、結局右の短いバネで解決。
結構引っ張って嵌め込むのが大変、画像の様に短いばねが縮めようと頑張ってます。いい仕事してます。
バネを嵌めた状態でベルト間の間隔が30mm程度になってます。
最初のバネの場合は33mm程度でした。
上側のベルトを指で押してみるとたわみ感がなくしっかり張っている感触が指に伝わります。
左右移動のボタンで操作するとスムースに動きます。
これでリニアトラッキング移動不良は解決です。
横に置いたベルトコンベアの上にアームブロックが載っていて左右に動くというユニークな構造です。
ヤマハのレコードプレーヤーは初めてですがこのPX-2には
ターンテーブルを回転させるスイッチがありません。
違和感を感じます。
フルオートプレーヤーですから無くても問題は無いのですが、アームがターンテーブル側に移動するのとリンクして回りますがなんだかしっくりきません。
慣れの問題でしょうか?
ヤマハ PX-2 リニアトラッキング レコードプレーヤーの修理 ➀ ― 2022/08/28 01:18:18
リニアトラッキングのヤマハPX-2の故障機をゲットしました。
YAMAHA PX-2 180000円 1979年発売
特徴
リニアトラッキング
アルミダイカストボディ
症状はトーンアームが水平移動しない。
先ずは底板を外して内部を確認してみると、モータープーリーベルトが
溶け落ちてた。
このPX-2のリニアトラッキングはベルトコンベアのような機構で
横移動するタイプだ。
恐らくパイオニア製のリニアトラッキングとは違うようだ。
アームブロックをはず外して溶けたベルトの除去洗浄を行う。
手持ちのベルトを嵌めてみると右側の径30mmがちときついが使えそうだ。
モータープーリーは回るようになったがピニオンギアを通して水平移動用の平ベルトがスリップしている。
どうやら平ベルトも伸びいている様子。
スプリングで引っ張ってはいるが縮力が効いていない。
スプリングも交換が必要のようだ。
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