カセットデッキ TC-K88 修理とメンテナンス➂2019/03/01 03:24:13

TC-K88 カセットデッキ 電解コンデンサ交換

カセットデッキ TC-K88 電解コンデンサ全交換

カセットデッキは動力系負荷が多いため電解コンデンサの役割りは重要である。
まずは消耗品の代表格、電解コンデンサから。

今回はサーボ系の修理とメンテナンスなので、オーディオアンプ基板と
メーターユニット内を除いた電解コンデンサ全交換。

明らかに故障しているのだが、不具合を究明して不良部品のみを
交換するのではなく、既に40年経過していることから予防を兼ねて
全交換することに。

不具合の原因が部品由来の場合、原因部品を特定できないが究明時間より
短時間で解決できる場合があり、今後の予防にもなるので得策と考える。

電源部電解コンデンサはオール低インピーダンス品に。
サーボ基板のパーツはコントロール基板とのサンドイッチになるため
排熱の悪さを考慮すると105℃仕様の小型品が理想だがコントロール基板も
含め手持ちの85℃品との混合で全交換。

部品の小型化が進み同容量でもかなり小さくなり基板に隙間が増えて
すっきりしたが折れ曲がったフィルムコンデンサが気になる、
しかしフィルムコンデンサの故障は少ないので今回はスルー。

カセットデッキ TC-K88 修理とメンテナンス➃2019/03/03 02:55:13

TC-K88のオペアンプ RC4558P MALAYSIA   

ロジックIC/オペアンプ交換

オペアンプとロジックICの交換。
ICはトランジスタなどからすれば故障率は低いものの今後部品調達が
難しくなるだろうと推定すると入手が楽なうちにストックしておくのが
良いだろう。
ICとコンデンサだけのパーツ代合計は1000円もいかない。

オペアンプは汎用の4557、4558、4559が使われている。
キャプスタン用にはRC4558P MALAYSIAが二つも使われている、
図面上ではNJM4558。

高音質と言われているRC4558Pを敢えて音声信号回路でないところに
使っているのは何らかの設計者の思いなのか?気になるところ。
テイクアップとサプライモーター系はNJM4558DFAのローノイズタイプ?
が、K882台ともこの構成なので意図的に使い分けているのだろう。

足が結構黒ずんでいるが40年という歳月からすると割と奇麗な感じがする。
折れ曲がった大型フィルムコンデンサに隠れた4558以外はソケットを
嵌めてから装着した。
ロジックICはサーボ基板とコントロール基板Aのみで
4019
4081
4024
4069
4011
コンパレータの339C

こちらもソケットを嵌めて装着。

コントロール基板Bはリニアスケーティング回路なので、
又現故障とは関係ないと思われるメーターユニット内も今回はスルー。

オペアンプは外してしまうとテスターだけでは良否判定が正確にできない、
しかし値段が安いので修理ついでに交換しておけば故障原因究明時に
役に立つのでお勧めである。

カセットデッキ TC-K88 修理とメンテナンス➄2019/03/05 03:25:23

TC-K88 トランジスタ 2SC1364 2SA952 2SA733 2SA1026等

トランジスタ交換

NPN型は基本的にソニー製の2SC1364が多用されている。
PNP型トランジスタは2SA733、2SA844、2SA773、2SA952、2SA1026
などが混在。
交換はTO-92タイプのみ。

2SC1364はおおよそ40個程度→2SC1815に。
2SA733/2SA844/2SA1026→2SA1015。
2SA952→2SA1020L-Y。
2SA773は代替が分からないのでそのまま。
88シリーズのST-J88にも使用されているので交換したいのだが
検索しても代替や互換はヒットしない。

2SA733はhfeが220位のものが多かった、へたっているのだろうか?
2SC1364はソニーの他の機器にも多用されているが
比較的優秀ではないだろうか?
足が真っ黒なヤバそうなのは見かけたことがない。
それどころかこのTC-K88にはhfe600近いのも存在していた。
400前後のものが多く低くても300位までである。
40年経ってこの値は凄いと思う。

実際の動作はわからないがトランジスタ2SC1364はまだまだ元気そうだ
ということが分かった。

しかし二階建て基板のサンドイッチパーツは熱がこもりいずれは壊れる。
予防に越したことはない。

カセットデッキ TC-K88 修理とメンテナンス➅2019/03/07 03:20:15

カセットデッキ TC-K88 調整及び故障修理中の試運転

調整及び故障修理中のカセットデッキTC-K88の試運転

トランジスタの一部ととFETは残してしまったが修理途中で試運転をしてみる。
カセットデッキは音が出る出ない以前に動かなければ始まらない。

動いた。
再生、早送り、巻き戻しは問題なさそうだ。
しかし、不具合は出たり出なかったり気まぐれなので暫くは様子を見る。

電源投入時に起きるTAPE REMAINING(テープ残量計)ランプ点灯は
相変わらず、RECやPAUSEランプが点いたりするのもそのまま。

修理の成果かボタン類が全く反応しない現象は改善されたようだ。

そもそもの故障内容は

➀ 走行系ボタンが全く反応しない時がある。
➁ 再生、早送りは可だが巻き戻しはできない。
➂ 電源投入時一部ボタンが勝手に反応する。
➃ 電源投入時テープリメイニングが点灯し、オート、マニュアルボタン
  押しても解除できない。
➄ 再生が少し動いてすぐに止まる時がある。
➅ テープカウンター表示が時々文字化けする。

殆どがカセットデッキ特有の走行系トラブルだ。
しかし、いずれの場合もリニアスケーティングのオープン、クローズは
問題なし。
キャプスタンも正常回転。

➂➃以外はパーツ交換後改善があったようだ。
➅については様子を見ないとわからない。

次は基盤や他のパーツのチェックに半田修正を念入りに行ってみよう。
カセットデッキの修理はオーディオアンプ部とコントロールサーボ系があり
厄介だが、多少なりとも状態改善があると修理のやりがいを感じるものだ。

カセットデッキ TC-K88 修理とメンテナンス➆2019/03/09 03:18:49

TC-K88 茶色に変色した金属皮膜抵抗

不良パーツ発見

K88一号機の基盤と見比べながら部品をチェックしていたところ、変色した金属皮膜抵抗を複数発見。

確かテクニクス製品で茶色の抵抗を見ていたので違和感なく見過ごしていたが、一号機の同じ場所には他と同じ水色の金属皮膜抵抗がついる。

これはおかしい。

カラーコードはそのままなのでうまくカモフラージュしてたものだ。
ソニー製品では茶色の抵抗は見たことない。

R418 R419 R439 R440 R447 R449 の6個

図面で確認するとすべてキャプスタンモーター制御回路である。
周辺の電圧チェックをするとTP452に電圧が出てていない事が判明。
TP452はCX193の21番端子である。
接続しているトランジスタは交換済みなので問題ないはず、となるとIC401の不具合か?
このIC、CX193はソニーオリジナルでキャプスタンモーターの回転制御をやっているらしい。
専用ICだから壊れると代替はない。だがキャプスタンは正常に回っているように見える。
変色した抵抗は値は変化していなかった。