武蔵小山 BAR Gray

大阪出身のお客さんと話すたびに思い出す記憶がある。

難波の有名な待ち合わせスポット｢ロケット広場」で待ち合わせをしてその界隈に飲みに行った。

細い階段を登った大衆居酒屋でまたまた細い通路のパントリーの前の三方を囲まれた狭いテーブル席だったと思う。

当時東京の居酒屋ではあまり見かけないアサヒスーパードライがこちらでは定番なのに少し驚いた。

店を出て歩き始めた。右も左もわからない初めての夜道を彼女に付いて行った。

その記憶はここからスタートしている。

結構歩いたと思う。ガードらしきをくぐって右に折れた。

居酒屋からそのガードまでの記憶は無い。

静かな住宅街の一角で右手には今くぐった高架の上に電車が走っている、やや暗い往来の少ない車道が左手のアパート郡とその高架に挟まれていた。

そのまま高架沿いを少し歩いたところで彼女はその連続するアパート郡の中に消えていった。

別れる前に「まっすぐ行くと駅があるよ」と教えられ２年ぶりの 再会は終った。