モノを作らなくなったモノづくりジャパン2018/11/15 03:17:13

高3の夏休み、アルバイト先に大学生のバイクの走り屋グループがいた。
音と派手な4サイクルバイクで夜走る族(暴走族)に対して昼間にスピードを求めて2サイクルバイクにまたがる彼らを走り屋と呼んでいた。

普通免許取りたての私はバイクには興味なかったが、週末にゼロヨンを見に行くというので頼み込んで連れて行ってもらった。

どんな車が来てるんだろう?
初めて見る非合法の自動車草レースに心が躍った。

新木場は埋め立て地である、当然ながら住宅もなければ歩行者もいない。
まばらな街灯に薄暗い直線が彼方まで続いていた。

時間が早いせいか車は数台しか見当たらない。
スタート準備に入っている白いソアラと何かが並んでいた。
近づいてみるとそれはタンクの左右からはみ出たエンジンが凄まじい存在感を示していた。

エグゾーストパイプが6本もあるバイクは初めて見た。

エンジンにハンドルとシートを付けたような格好だ、サイドカバーにはZ1300の文字が。
1300というのは車のエンジン並みである。果たしてバイクに1300ccも必要なのだろうか?

エンジンを積んだ二輪車として見たらノーだろう。
しかし技術やテクノロジーを他社よりも優れていることを誇示する時代においては、売れるかどうかよりも技術を形にし 世間にアピールすることで会社の成長を促してきた。

必要性やニーズは無いものの、技術者の思いが詰まった製品に
人々はロマンを感じ夢を見た。
その製品が新たなニーズを作り時代の先端を走っていった。

バブルが崩壊して企業は守りに入った。
どうしたら売れるか?
というモノしか作らなくなった。

売れないのではなく、「欲しい」と思うモノが無いというのが今の時代ではないだろうか?。
間もなく平成も終わろうとしている。
次の時代に向けてもう一度原点に返って新たな魅力ある製品作りに期待したいと思う。