100円ライター2016/02/09 04:15

英国領北アイルランドの首都ベルファストでの出来事。

当時はIRAの活動がやや盛んだったのか、街中で銃を持った迷彩服の兵士が
警備の為二人一組で歩いていた。

本物の銃であることに緊張感を覚え人気の少ない路地などに
入らないように歩いた記憶がある。

ショッピングモールの様なタイル張りの地面の商店街らしき一角に来た時にダウン症の様な若者がラジカセから流れるマドンナの曲に合わせて踊っていた。

彼の前にはチップを受けるには大き過ぎるようなバケツが置いてあり半分くらいまで硬貨が入っていた。

日本ではこういう光景はまず見られない、逞しいなと感心した。

その先では大柄な男性が右手に何か持ち大声で叫んでいる。

近づくにつれ聞き取れてきた。

「Anybody smoke? 3 for a pound」

顔の高さにかざしている右手に持っていたのはなんと100円ライターではないか。

3つで250円、1つ80円である。

売れ行はどうなのかと近くのベンチに座り観察することにした。
15~20分で一人程度成立してるようだった。
左手には箱を持っている、おそらく30個?入り位だろう。

原価が半分としても1個当たり40円、全部売っても1200円の利益にしかならない。

この調子なら完売には一時間以上かかると想定できる。

学生がお小遣い稼ぎでやっているのならわかるのだが40歳くらいの大人が
真剣に売っているのである。

不思議な光景だった。