葛藤2009/09/14 23:33:23

お酒を扱っていると必然的にそのお酒の位置づけを理解するようになる。
特にバーで扱うお酒は殆どが洋酒なためその位置づけは重要である。

位置づけというのはどういうタイミングで飲まれるお酒かということである。
例えばベルモットやシェリー、シャンパン、ジントニック、カンパリソーダなどは食前酒に当たる。
リキュールやウィスキー、ブランデーなどは食後酒になる。

バーは食事を楽しむところではないから食中酒は無いのが基本である。

しかし日本人の食文化に食前・食中・食後と酒を分ける習慣はない。

世間ではビールやサワー類にチュウハイや日本酒や焼酎などが食中酒に当たる。

では食前や食後酒に当たるものは何か?
この質問には「梅酒」くらいしか思い当たらない。
私的には食後酒的な要素が強いと思うが食前酒としてもおかしくは無いと思う。

この「梅酒」に最近悩まされることが増えてきた。

梅酒を食中酒的な位置づけでつまみを頼もうとするお客さんが多いのである。

「梅酒に合うつまみは何がありますか?」
私は一般的には梅酒は何か食べながら飲むものではないというふうに世間では捉えられているのではないかと思っていたがそうではないのである。

さらに疑問に思うことが起きた。

梅酒で「ナチュラルチーズ」を頼まれる方がここ最近増えてきたのである。

何も考えずに言われたとおり提供すればそれはそれで何事も無かったように終わるのだと思うが、「梅酒とチーズは無理がある」と私は思う。
なので「チーズがメインでしたらワインのほうが宜しいのでは」と、軽く案内はしている。

食べる方が何の問題は無いと思えばそれで良いのだが、私自身試してみてやはり「合わない」という結果だったために、この組み合わせで注文を受けると複雑な気持ちになる今日この頃である。