マイペース2007/09/11 02:51:47

土曜日の遅い時間、正確には日曜の未明カウンター席が半分埋まっていた。
そんなタイミングでパタパタと階段を降りる音がしたと思ったら
勢い良くめぐみ(仮名)が入ってきた。「こんばんは~」いつもと全く変わらない調子である。
席につくなり島美人を頼みメールを打ち始めた。相変わらず落ち着きがない、
バイトが終わった直後でテンションが高いままグレイにやってきたのだと分かる。
「マスター!今日は友達がきます。!」と彼女。 どうやらバイト仲間らしい。残業をしているのかもうじき終わるという。
メールでグレイで飲んでるから来ないか?と誘っていたのである。
めぐみの左隣のお客さんも土曜の深夜にみえるので彼女とここで会ったことがある。多分2回目ではないかと思うがかなり打ち解けているような話し振りがめぐみの特徴である、怖い物はないといった感じか。?
テンションが高いせいか今日はいささか酒のピッチが早いように思える。
次は一番のお気に入りの克を頼んだ。会話の最中にもメールを気にしてまだかと催促しているようである、
その間克をおかわりして、右の3人が飲んでいた鶴見を頼んだ。
静かにドアが開きこわばった表情でセミロングの女性が入ってきた。
一番奥の席めぐみの右隣に座り、黒糖焼酎を頼んだ彼女はめぐみとは正反対で物静かなおとなしいタイプの子だった。二人でお疲れ乾杯してバイトの話など話し始めたのも束の間、
めぐみは急に「ちょっと酔っ払った。ごめん帰る!」とそそくさと友達を置いて帰ってしまった。
確かに飲むペースが速かったのだ。友達が来るからと浮かれていたのかもしれない。
残された彼女は文句も言わずおとなしく一人で飲んでいた。 私になりに気にかけて何か話をしようと思いながらも他の3人の酒のおかわりでばたばたしていた。
残された彼女はバイト先からはグレイはまるっきり反対方向だという。 誘っておいて自分の都合で帰ってしまうめぐみもめぐみだが愚痴の一つも言わず静かに飲んでいる友達も立派である。 これくらいの事では喧嘩などしない深い間柄なんだろうと二人の信頼関係を見せ付けられた。